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東京地方裁判所 昭和60年(特わ)3762号 判決

本店所在地

東京都江東区新木場一丁目一〇番一二号

(実質上の所在地 同都中央区築地三丁目九番一〇号)

大京食品株式会社

(右代表者代表取締役 窪田洋司)

本籍

鹿児島県出水郡野田町下名五六八五番地

住居

神奈川県横浜市金沢区能見台通一六番二四号

会社役員

窪田洋司

昭和九年八月三〇日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官岡崎芳高出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人大京食品株式会社を罰金一六〇〇万円に、被告人窪田洋司を懲役一〇月にそれぞれ処する。

被告人窪田洋司に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社大京食品株式会社(以下「被告会社」という。)は、東京都江東区新木場一丁目一〇番一二号(昭和六〇年五月九日以前は、同都新宿区市ヶ谷台町一六番地、実質上の所在地は、同都中央区築地三丁目九番一〇号)に本店を置き、ハム、ソーセージ及び水産加工品の製造販売等を目的とする資本金四〇三五万三五〇〇円(昭和五九年八月一九日以前は、三五〇九万円、同五七年八月一九日以前は、三一九〇万円)の株式会社、被告人窪田洋司は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人窪田は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上を除外するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  昭和五六年七月一日から同五七年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が八七〇八万七〇八一円(別紙(1)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五七年八月三一日、東京中央区新富二丁目六番一号所在の所轄京橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四七〇七万七六二〇円でこれに対する法人税額が一七〇七万三一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(昭和六一年押第一七九号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右実業年度における正規の法人税額三三八四万七五〇〇円と右申告税額との差額一六七七万四四〇〇円(別紙(4)ほ脱税額計算書参照)を免れ

第二  昭和五七年七月一日から同五八年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億二五八〇万三二七一円(別紙(2)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五八年八月三〇日、前記京橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が七一一三万四一七一円でこれに対する法人税額が二七四一万三〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右実業年度における正規の法人税額四九九六万一八〇〇円と右申告税額との差額二二五四万八八〇〇円(別紙(4)ほ脱税額計算書参照)を免れ

第三  昭和五八年七月一日から同五九年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が八七三九万九三八四円(別紙(3)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五九年八月二八日、前記京橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が六〇〇四万三六二三円でこれに対する法人税額が二二六九万九八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の3)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額三四五二万七四〇〇円と右申告税額との差額一一八二万七六〇〇円(別紙(4)ほ脱税額計算書参照)を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書二通

一  収税官吏の被告人に対する質問てん末書二通

一  但馬秀夫、山本慶明、森河清和の検察官に対する各供述調書

一  収税官吏の谷地森猛に対する質問てん末書

一  収税官吏の次の各調査書

商品売上高調査書

期首商品棚卸高調査書

当期商品仕入高調査書

期末商品棚卸高調査書

給料手当調査書

福利厚生費調査書

租税公課調査書

交際接待費調査書

車両費調査表

雑費調査書

受取利息調査書

雑収入調査書

貸倒損失調査書

交際費損金不算入額調査書

役員賞与調査書

事業税認定損調査書

一  大蔵事務官作成の証明書

一  押収してある法人税確定申告書三袋(昭和六一年押第一七九号の1ないし3)

(法令の適用)

一  罪条

被告会社につき各法人税法一六四条一項、一五九条一項(判示第二の事実につきさらに同条二項)

被告人窪田につき各同法一五九条一項

一  刑種の選択

被告人窪田につき懲役刑

一  併合罪の処理

被告会社につき刑法四五条前段、四八条二項

被告人窪田につき同法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に加重)

一  刑の執行猶予

被告人窪田につき刑法二五条一項

(求刑 被告会社につき罰金二〇〇〇万円、被告人窪田につき懲役一〇月)

(裁判官 田尾健二郎)

別紙(1) 修正損益計算書

大京食品株式会社

自 昭和56年7月1日

至 昭和57年6月30日

〈省略〉

別紙(2) 修正損益計算書

大京食品株式会社

自 昭和57年7月1日

至 昭和58年6月30日

〈省略〉

別紙(3) 修正損益計算書

大京食品株式会社

自 昭和58年7月1日

至 昭和59年6月30日

〈省略〉

別紙(4) ほ脱税額計算書(単位 円)

会社名 大京食品株式会社

(1) 自 昭和56年7月1日

至 昭和57年6月30日

〈省略〉

(2) 自 昭和57年7月1日

至 昭和58年6月30日

〈省略〉

(3) 自 昭和58年7月1日

至 昭和59年6月30日

〈省略〉

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